先日、神社検定の予習の一部として賀茂真淵について読んでいた。天皇と臣民についての供述は引用された。
ただ天に随て、すへらき(皇)は日月也、臣は星也、唯星の如くして月日を守れば、今も見る如く星の光月日におほふ事なし
つまり、天皇は太陽のようで、臣民は星のようだ。国学の四大人の一人に相応しい意見だと言えよう。
それでも、現代の状況を見れば、私も賛成できる。
太陽も星も同じような存在であることは周知の通りだ。星の光は弱い理由は、ただ星は太陽より遥かに遠いからだ。星自体を見れば、太陽に劣る星は少なくないが、太陽を大きく勝る星も多い。太陽は確か平均的な星よりちょっと大きめで明るい方である。それでも、太陽は太陽系の中でとても重要な位置を占めるので、太陽系にとっては他の星より遥かに重要な存在である。
だから、天皇は太陽で、臣民は星であれば、根本的に同等である。人間として評価すれば、天皇に劣る人は少なくないが、天皇を勝る人も多い。ただし、天皇が日本の国家の中で重要な位置を占めるので、日本の国家にとっては他の人間より遥かに重要な存在である。
もちろん、比喩は、知識が増えるとともに相応しくなくなることもあるし、賀茂真淵が私の解釈に賛同するはずはない。ただ、歴史的な比喩がこれほど知識と社会の変動によって意味が一変したとしても今も相応しい事実は、面白い。