未承認の薬

先日のニュースによると、国連のWHOが西アフリカのエボラ出血熱の治療として未承認の薬を使用を承認したそうだ。対象となる薬の安全性などはまだ保証されていないそうだが、倫理に叶うとの判断があった。

その理由は分かり易い。エボラ出血熱は酷い病気で、致死率はかなり高いし、死に方も大変だそうだ。だから、薬には深刻な副作用があっても、効果は薄くても、何もしないよりましだ。患者の状況を悪化させることはできない。なぜなら、痛みながら死ぬのは今の状況であるからだ。そして、効果や安全性についての収集できたデータを公表すると言われる。そのため、この起記の後で治療薬の開発が進むと望める。今のところ、認められた治療薬はないそうだ。

しかし、この状況は特別だ。殆どの病気は大きく違う。例えば、インフルエンザを考えよう。新型インフルエンザでも、致死率は10%を超えることは少ない。50%に達することはないだろう。そのため、薬の副作用に配慮しなければならない。患者の状況を悪化させる恐れは多いからだ。

そして、癌。早期の治療なら、状況を悪化させる恐れがある。晩期であれば、効果は判別できない恐れがある。効果はない薬を使ったら、治療の資金の無駄遣いになるので、他の救えたはずの人が死んでしまう。

だから、普通に薬の効果を見極めなければならない。そうするために、ちゃんとできた実験は必要不可欠だ。

患者と患者の家族には何でも試す自由があると言えるが、その反面で詐欺師に患者や患者の家族から高額のお金を騙しとる権利はない。イタリアではステム細胞を利用する治療法を巡って裁判があったが、結局効果を裏づく証拠は全くないようだから、制限される見通しになっている。確かに難病に患うと、何の治療法でも試してみたくなるが、悪徳な詐欺をやる人の作業を防止するべきでもある。

一つの方法は、私的な利益と関わる方法を厳しく抑制することだ。つまり、承認はない薬屋治療法であれば、お金は患者や患者の関係者からもらっては行けない制度は良いだろう。詐欺師はまだいるだろうが、政府機関などから騙しとっても、その後で取り締まるはずだ。もう一つは、宣伝で未承認の治療法について「効果があると思う理由はまだない」のような表現を義務づけたら防止策になるだろう。「この治療法には効果はないだろう」という表現で、お金を出す人は少なくなるかもしれない。

ここで、患者の治療法をどこでも探す権利もあるし、その希望を悪用する詐欺師を抑制する国家の義務もあるので、普段は難しい。エボラ出血熱は珍しい例外だと言えよう。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: