先日掲げた構成的な問題は、小規模な村落の問題であった。町になったら、病院や小学校、郵便局、スーパーなどを維持するための人口は充分確保できる。つまり、人口の大半が首都圏や阪神に流れ込む必要はない。
必要な人口の水準は何だろう。それは検討して分かることだから、このような問題と政府が取組む場合有識者会議を開く理由が分かるだろう。私は政府ではないので、有識者会議を簡単に開けないので、具体的な数値があるために、適当に選ぶ。先日読んだ「焼滅危惧の都市」についての論文では、人口が1万人を下回ると自治体として存続できないように示唆されたので、その水準を1万人とする。ここでの意味は、広い範囲にまたがる行政区の「市」ではなく、居住や商売施設、職場が密集する「市街地」には1万人が住むことだ。
このような1万人以上の町があれば、持続可能な自治体になると思える。だから、過疎化対策で、このような町を点在させると良いと思う。
例えば、鉄道の路線網を考えよう。需要はないと、廃線となるが、一旦廃線となると、復旧するのは大変な作業だ。線路を維持するための需要と線路を復旧するための需要は大きく異なるので、廃線になる前に維持されるような環境を整えた方が良い。そうするために、路線の終点の町を開発させるとともに、線路の長さによって途中で数カ所の町を大きくすると良い。そうすれば、小さな村がその間に存在しても、各駅停車が無人駅で停まることことはかまわない。一回り大きな町の需要で線路が維持されるからだ。それで、線路沿いの村も維持されると思える。小学校まで電車に乗る子供もいるだろうが、鉄道が動けばそれは可能だ。
これで、行政の政策が民間会社の鉄道会社の利益に貢献する。しかし、これは悪くないと私は思う。動機は、既存するインフラを活かして地域を活性化することだから、地域活性化で民間会社の利益に貢献するのは当たり前だ。例えば、鉄道会社と同じようにバス会社の利益にも貢献すると思える。なぜなら、鉄道の路線網は完璧ではないので、少なくとも別な路線に位置する主要な駅をバスで繋ぐのは良い。このバスは当然鉄道と別な方向に行くので、さらに小規模な村落を交通網に取り込む。しかし、バス会社は道路網を使うし、行政が道路を整備するのは常識だから、常識以外の活動は不要だ。(とは言え、行政が道路を整備することは、バス会社の利益に大きくて直接に貢献するので、活性化施策が鉄道の路線に配慮して決めることより実は目立つ。)
鉄道からもバスからも離れた村落が衰える可能性は高いが、先日述べた通り現在の事実で、すべての農村を維持するのは不可能なのではないか。一方、地域の人口を維持して、そして複数の町に分散させるので里山風景なども維持できるのだろう。
戦略として、人口が1万人を超える要の町で交通網を確保することとしたら、その戦略を実現するためにどうすれば良いのか。この問題について、後日考えたいと思う。