ノーベル物理学賞

昨日、ノーベル物理学賞は発表された。受賞者は、赤崎氏、天野氏、そして中村氏である。先ず以て、祝福を申し上げたい。青色発光ダイオードは重要な発見と発明だったので、この形で認められるのは相応しい。

そして、二点を取り上げたい。一つは、日本の科学と研究の創造性である。外国では、日本の科学は修正に過ぎないとか、根本的な発見はないと言われるが、日本でもこのことは信じられているようだ。2000年以降のノーベル賞受賞者の人数から、これは迷信に過ぎないことが明らかになっているはずだ。確かに50年前に日本人のノーベル賞受賞者は少なかったが、それは委員会の人種差別と日本の科学の未熟の結果だった。日本の科学は、19世紀末から始まったと言えるが、ヨーロッパやアメリカで17世紀末からだった。追いつくにはちょっと時間がかかったのは当然だ。

だから、これからも、日本の科学の成果は期待できると私は思う。過去の構成には問題が確かにあったが、それに関わらず今までの受賞者が現れた。その問題は解決されつつあると思うので、将来は明るいのではないか。若手の研究者の自立の研究は、経験が豊富な中堅の研究者が見守るのは良いが、自分の部下にするのは良くない。この問題は日本に限るわけではないが、日本で顕著な傾向であると言われているし、私の間接的な経験がその噂を裏付ける。

もう一つの問題は、日本人の国際共同研究は少ないことだ。統計を見れば、この問題はどちらかと言うと悪化しているそうだが、食い止めるべきだ。日本の一流の大学は国際的な絆に比重を置いているそうだし、文部科学省はこのような活動を推薦しているようだから、食い止められるかと思える。このところは見守るべきだが、絶望的な状態ではない。

しかし、これで問題点が浮上する。中村氏はもはや日本人ではない。アメリカ人になっている。日本は、二重国籍を認めないので、日本国籍を放棄した。だから、日本人受賞者には二人が加えられた。中村氏は日本出身だが、日本人ではない。これは、二重国籍を認める重要な理由だと思う。日本に移住する人には確かに有利になるが、海外に移住日本人にも有利になる。中村氏は、日本が二重国籍を認めたら、日本の国籍を放棄したはずはないだろう。日本の研究環境を厳しく批判したが、日本を全体的に否定したと聞いたことはない。研究が国際的になっているので、海外で研究する日本人も、日本で研究する外国人も増えるに違いない。その研究者は、研究先に住み着くこともあるし、帰化することもある。このような国際人材を受け入れることは、本当の国際化の一部であると思わざるを得ない。


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