神社検定参級で測定すること

では、神社検定で何を測定すれば良いのだろうか。「神道の知識」は当然だが、それほど曖昧な定義は役に立たない。具体的にして、測定方法を考えなければならない。

神道は、実践を重視する宗教だから、知識に加えて実践する行動なども検定試験の内容に入れた方が良い。行動を直接に評価するのは無理だ。検定試験では、四者択一のようなマークシートの方式ではないと、費用が莫大になって、受験料が高くなる。弁護士になるための試験であれば、受験量が数万円になってもかまわない。高収入の仕事と直接につながっているからだ。しかし、神社検定はそうではない。現在の5000円前後の受験料は適切で、値上げしては行けないと思う。つまり、四者択一の方式のままにするべきだ。

参級から始めよう。実は、現在の参級は悪くないかと思う。公式テキストには基本的な作法が入っているし、設問にもでる。それでも、私の見解で項目を網羅しよう。

  1. 普通の参拝の作法
  2. 正式参拝の作法、玉串奉奠を含めて
  3. 家庭祭祀、神棚など
  4. 神社の建物の一般的な配置と役割
  5. 記紀神話の流れと主な出来事
  6. 主流の神様、例えば八幡様、お稲荷様、天照大神、天神様
  7. 年中行事、初詣や祈年祭、大祓など
  8. 通過儀礼、初宮参り、七五三、神前結婚式など

この内容の概念を明記すれば、普通に神社と接する人が正しい知識を持って接することができる、ということだ。作法が分かるので、参拝すれば正しくできる。そして、神社の境内の配置も分かるので、どこへ行くかも分かる。家での神棚も正しくできる。行事や祭祀を把握すれば、いつ行けばいいかも分かっている。そして、記紀神話と主流の神様の知識で、神社の由緒を理解できるようになる。知っている神話などと組み合わせできるからだ。

重要なことは、この知識は、公式テキストを読まなくても、神道を勉強すれば自然に把握する。入門の参級には、それは相応しいと思う。公式テキストは一番無難な勉強方法になるので、売れ行きは期待できるが、長く神道と関わった人であれば、勉強せずに合格できるのは目標とするべきだ。

検定試験を100問にすれば、その設問の配分をどうすれば良いだろう。100問を目指すのは良いと思う。問題数で、偶然のばらつきを抑えられるからだ。大きな項目は八つあるので、13問毎になるだろう。

しかし、普通の参拝作法について13問を設問すれば、毎回同じ問題になる恐れがある。参拝の作法はそれほど複雑ではない。正式参拝の作法も同じだ。一方、記紀神話について13問を設問するのは簡単だ。方針として、実践で問題の半数を占めた方が良いと思う。実践と言うのは、三敗差法、神社の配置、そして行事と祭祀の情報だ。つまり、参拝と直接に関わる内容だ。記紀神話と主流の神様は、知識的な半数になる。

設問の形式も問われるが、入門のレベルで単純に物事を知っているかどうかを試したもよい。例えば、「参道を歩くとき、どうあるくべきですか」とか「イザナギ神の禊で生まれなかった神様を選びなさい」など。入門の参級は、ただ単に基礎知識があるかどうかを確認する。(ところで、『神道の基礎知識と基礎問題』と言う本を持っている。700頁を超える。私の意味は、より基礎的な基礎知識だ。)この基礎知識が基盤となって、弐級と参級でより踏み込んだことと取組むべきだ。しかし、この記事はもう長くなっているので、次回論じたいと思う。


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