一昨日、大臣が二人辞任した。
小渕前大臣の問題は確かに深刻だった。後援会の政治資金収支報告書から数千万円の記入漏れは、些細なことではない。小渕氏自身が不正なことをしたかどうかはわからないが、少なくとも後援会には大きな問題があったので、責任をとって辞任することは、当然といえば当然だと思う。
一方、松島前大臣の場合は明らかに違う。選挙区の祭りでうちわを配ったそうだ。うちわには松島氏のイラストとメッセージがあった。しかし、法律に禁じられる有権者へ有価物を贈呈する行為としてみなされて、松島氏の辞任になった。
厳密に言えば、有価物である。大変安っぽい有価物だから、有権者への賄賂として捉えられたら、逆効果しか期待できないだろう。パチンコ屋やレストランが祭りで不特定多数の人に無償で配るものと同じ品質だそうだ。(うちわの写真を見たが、そのようなものに見える。)これは本当に違法行為であるかどうかは疑わしい。
なぜなら、政治家がチラシを配るのは許される。しかし、チラシを作成するために費用は必要だ。そして、暑い日のお祭りにチラシを貰えば、うちわの代用品として使用できる。つまり、チラシも有価物と見做すことは十分できる。それも禁じようか。
先代未聞の提案だが、常識を使ったらいかがだろうか。一般に不特定多数の人に無償で配られるものは、法律の「有価物」に相当しない。チラシはそうだし、安っぽいポケティスもそうだし、安っぽいうちわもそうだ。安っぽいボールペンは堺にあるだろう。配られる場合も確かにあるが、それほど頻繁ではない。レジ袋のような袋も配られる。
「有価物」の意味は明らかに曖昧であるので、確定にするべきだろう。「白紙はないチラシで、紙の質は1平方メートルあたり某g以下であるもの、紙の延べ面積は某平方メートル以下。」など。確かにそれほど詳細を指摘するのはバカみたいだが、今回の事件で、その必要性が明瞭になっている。
一方、野党側の行動は評価できない。選択肢は二つある。
一つは、このうちわで松島氏は本気で有権者に贈賄しようとしたと思うこと。それほど馬鹿な人は、国政に関わらないでほしい。
もう一つは、贈賄ではないことはよくわかるが、政敵を倒す方法として握ったこと。党の利益のためにこれほど武器を探すことは、政治から撲滅させたい。意味のある政策や行動に基づいて動いて欲しい。小渕氏の問題のような問題を明らかにする事実を持って大臣を辞任に追い込むのは野党の役割の一つだが、うちわのため国の政府の運営を覆そうとする行為は、小学生に相応しい。私にとって、民主党の信頼性からさらに衰えた。