結婚を論じたが、親子関係はどうすれば良いのだろう。
関係の内容は、現在と変わらなくても良いと思う。つまり、親には子供を扶養する義務があるし、親が子供の代わりに重要な決断をする。例えば、治療について、通う学校について、生活の形についてなど。虐待はもちろんその義務に違反するので、刑罰は子供以外を対象とする場合より厳しくするべきだあろう。(それは、刑罰の考えによって実現されるけれども。)
重要なことは、子供には義務はない。それは、子供には選択肢はないからだ。子供は自分の親を選ぶことはできないので、親に対する義務があれば、自由に反する。
そして、親の義務がいつ終わるのだろう。当然の答えは、子供の成人になる日である。今の日本なら、子供の二十歳の誕生日だ。関係が自然に解除される制度は必要だから、親の義務と権利が同時になくなる。
これを考えれば、疑問を持つだろう。幼稚園児について親が勝手に決めるのは良い。いい親は、ちゃんと子供に説明して、話し合って、子供の意見を尊重するが、結局自分で決める。子供は絶対に予防接種を受けたくなくても、受けさせるとか。しかし、子供は16歳であれば、これについて違和感がある。16歳で完全に自立できる子供は少ないだろうが、親が子供の意見を完全に無視することは許すべきではないだろう。
この状態で、扶養する義務はそのままで、親も子も同意する必要があると定めたらよかろう。つまり、子供は勝手に治療を受けることはできないが、子供の賛成はないと、親もさせられない。死活問題になったら、家庭裁判所で緊急判決を受けて子供や親の同意を扶養としても良い。つまり、16歳で、まだ成人ではないので、自分の大きな損になる決断から守るべきだ。しかし、大人になりつつあるので、それほど深刻ではない損を自分の意思でさせても良い。もちろん、しないように推進するが、自由を尊重するべきだ。
そして、この年齢になったら、契約などはできるが、親には契約の責任もある。その責任は、契約の期間を満たす。簡単な例は借金だ。15歳でお金を借りたら、債務は親にも当たるし、完済するまでに親に残る。子供が二十歳になっても、親の債務がなくならない。
では、切り替える年齢はどうすれば良い。最初の提案として、13歳はいかがだろうか。小学生から中学生になる変更は、一般に成長の大きな節目であるとして認められる。歴史的には13参りもあったが、それは数え年だったので、今の12歳にあたる。12歳でも良いが、現行の社会構成で小学校から中学校に進学する時点のほうがふさわしいだろう。
ところで、この「準子供」の関係は、大人でも良いだろう。特に高齢者は、子供に扶養してほしいと思って、そして詐欺などへの対応を心配すれば、このような関係を任意に結んだら良いだろう。もちろん、その場合被扶養者は自由に解除できる措置は必要だ。
では、関係が終わる時点は決まったが、どうやって始まるか?簡単な答えもあるが、もう少し難しい場合もあるので、次回論じたいと思う。