日曜日に、國學院大學の祭式教室で開催されたセミナーに参加した。このセミナーは、神社検定の関連催しであったので、ある程度知識があることを前提にして、実践的な作法や祭具、奏楽、装束を紹介した。講師は茂木先生で、國學院大學で神職養成講座を受けている学生に祭祀作法を教える先生である。つまり、一番正確な情報や作法であると思っても良い。
楽しかったし、勉強になった。数年間、神道を勉強してきたので、当然もうわかった内容もあったが、新しいことは少なくなかった。
最初に、受講生のことだ。男性と女性はほぼ同数な印象だったが、女性はちょっと少数派だったかと思う。そして、20代から70代までの方が受講した。(私は唯一の外国人だったのは言うまでも無いだろう。)やはり、最近の神社ブームは社会全層に及んでいるようだ。実は、お辞儀の仕方を紹介していたときに、先生が最近の変化を指摘した。それは、鳥居をくぐるとお辞儀する人が多くなったことだった。神社での適切な作法は普及しているようだが、それも神社ブームの一部かもしれない。
具体的に最初に教えてくれたのは、こしょうの置き方だった。コショウは、神社でよく使われる折りたたみ式の椅子である。たたむ枠にはうちになる内枠と外になる外枠があるが、座る人の立場から内枠が前になるそうだ。こしょうを直して、座った。
そして、参拝作法の指導があった。基本的にわかったのは当然だが、ちょっと新しい内容があった。例えば、日枝神社の月次祭などに参列するとき、手水の作法は自分で行く時とちょっと違うそうだ。まず、両手を洗って、そして口をすすぐ水を頂いて、そして最後にまた手を洗う。覚えておく。
参拝する場合のお辞儀も詳しく説明した。これはいわゆる立礼の場合だったが、座礼は正座の場合を指すので、最近少なくなっている。まず、まっすぐ立つ。そして、腰を折る。頭を下げずに、腰から上半身を折って下げる。まず、しょうゆうとは、15度まで折ることだ。しんゆうとは、45度まで折る。しょうゆうは、鳥居をくぐる時や神前に近づく時だ。神前に近づくときは、まずしょうゆうして、そして左足から三歩前へ進んで、そしてしんゆうをする。
それから、拝礼である。拝は、90度まで折ることはご存知の通りだろう。拍手は、手を胸の高さで合わせて、右手をちょっと引いて、肩の幅まで開けて、拍手。二拝二拍手一拝は現在の標準系であることは周知の通り。その後、またしんゆうして、右足から後ろへ三歩下がって、しょうゆうするという。
先生が言った通り、この作法を普通の参拝に取り入れたいと思う。加えるのは、しょうゆうとしんゆうを厳しく区別することと、拝礼する前の三歩である。
それから、玉串拝礼の練習をしたが、形は面白かった。二人並びの列になっていたので、「玉串を持っていない人は、神様になって、もう一人は拝礼しよう」と先生が言った。隣の人に玉串を捧げて、拝礼した。「では、人間に戻って、相手が神様になって拝礼しよう」と。これ面白いことは、相手を神様として見立てて拝礼の形を練習することは、一切問題視されていないことだ。ある意味で当たり前だが、キリスト教などでありえない。
まだまだ書きたいことがあるが、感想も入っているので、その主な内容を後日に委ねる。今日の最後に、装束についての二点。
まず、衣冠の装束の冠には、上に突き出る部分がある。それは、昔の人の髪の髷を入れるためであるそうだ。なるほどを思った。横に出るかんざしは、もともと髪に突き刺され、冠が落ちないようにしたので、紐は不要だった。
そして、狩衣を着てみる機会があった。烏帽子も提供された。それは面白かった。衣冠も着てきたいと思うが、着付けに時間がかかるので、このようなセミナーにはできない。
ところで、狩衣の丈は足りなかった。それも、私には特大は必要なのようだ。
このセミナーに参加してよかった。先生がおっしゃった通り、2時間半のセミナーだったのに、時間は足りなかったが、大変勉強になった。