昨日のNHKニュースによると、外務省があるフリーカメラマンの旅券を回収して、渡航を差し止めたそうだ。そのカメラマンの目的地は、シリアだった。
後藤さんの人質・殺人事件が記憶に新しいうちに、そしてイスラム国が日本人を的とする宣言が発表した状態で、ジャーナリストとしてシリアへ行こうとする日本人の判断力を疑問視するのは当然だろう。事実を世界に伝えるのは確かに重要な勤務だが、本当にできるかどうかはまず疑わしいし、また人質になったら、状況の悪化に巻き込まれる恐れもある。だから、外務省の職員が自粛を強く働きかけた行為は適切だと思うし、評価する。
ただし、納得できなかったため旅券を回収した行為は、強く反対する。深刻な自由への侵害だと言わざるを得ない。憲法違反ではなければ、憲法改正は必要であろう。
なぜそう思うかというと、回収する理由を考えればわかる。
いい理由として、このカメラマンを守るために渡航を差し止めたと思える。少なくとも、これは建前の理由である。発表によると、本人の生命や財産を守るために回収したそうだ。しかし、ニュースによると、このカメラマンは50代であるそうだ。もう大人である。自分の目的に達成するために、自分の命を賭ける自由がある。そのような自由を大人の国民に許さなければ、直ちに自衛隊を廃止するべきだ。なぜなら、自衛隊員は自分の命を賭けて、国民を守ろうとするが、そのような行為は許せないと仮定している。もちろん、自衛隊を解体するつもりはないので、大人の国民をそのような危険に自分を晒されることも許す。だから、これは理由にならない。
では、もう一つの理由。カメラマンが人質になって、国がまた莫大なお金や外務省の力を費やさなければならない可能性は高いので、止めざるを得ない。これに認めるべき基盤がある。カメラマンには、自分の身を危険に晒す権利があるので、その損害を他の国民に齎す権利はない。しかし、この問題を解決するために、事前にカメラマンに「人質になっても、何もしないよ」と戒めても良い。そして、出国前にそのことを認めるビデオメッセージを録画させる。ビデオメッセージを人質になったことを条件に公開する予定を説明して、「私が自分の責任でシリアに渡航したが、このメッセージが公開されたら、やはり人質になった。国が私の救済には何もするべきではありません。その上、私の救済のために活動する人も、私の同意なしに動いていますので、やめていただきたい。私の行動の損害を、私だけに限らせていただきます。」のような内容にすれば良いだろう。そのような内容を口にすれば、考え直す可能性があるが、そうしないと、人質事件で政府が動かない場合、公開できる。
しかし、そうしても、政府が困るだろう。「邦人をほうちするか?」との批判は強いと予想できる。それでも、実は国の義務は放置することだ。後藤さんの経験があったし、国が強く止めるように働きかけたので、完全に自分の責任である。国民には、国家をある意味人質にする行為を許すべきではない。行為自体は許すべきであるが、国家を強制的に動かせることは許すべきではない。それでも、政府は困る。記者会見での質問は鋭いだろう。
記者会見で鋭い質問を回避するために国民の自由を侵害するのは、如何なものか。
最後の可能性の一つがある。それは、この「カメラマン」は実はイスラム国の兵士として活躍しようとする可能性である。それとも、日本の外務省がそのようなことを疑う。その場合、テロ対策の法律を使用して差し止めるべきだ。外務省には日本人の出国を目的が好ましくない理由で差し止める権利がある妄想をさせる行動をとるべきではない。
つまり、この判断は重要な間違いであったと思わざるを得ない。厳重な処分が下されるほど重大であると思う。早速の撤回を見て欲しい。