神社と外国の観光客

5月11日付の『神社新報』の「杜に思ふ」欄では、神社へ参拝する外国人の観光客についての記事が載っていた。この記事によると、訪日来客は増えているそうだし、神社に参拝する人も増えているそうだ。これは驚くほどではない。外国からの観光客は、日本の独特の文化に触れたい人は当然多い。特に、東アジアからの観光客にとって、仏教は日常的だが、神道は日本らしいだろう。だから、神社に足を運ぶのは当然な行動。秋葉原に行って、メイド喫茶を見る事と同じ感覚だろう。

もちろん、神社の対応は問題になる。全ての観光客には英語ができたら、神職には英語を学んでもらっても良かろうが、そうではない。英語、中国語、韓国語、ベトナム語、などなどを学ぶのは到底無理だ。神職が観光客の母語で対応することは現実的ではない。そして、多言語への翻訳には、費用は高額になってしまう。明治神宮であれば、当神宮を紹介する栞を用意して、配布することはできるだろうが、ほとんどの神社はできない。だから、神社本庁は共通の栞を用意して、各神社に配布した方が良いと思わざるを得ない。

その栞の内容をどうすれば良かろう。もちろん、個別の神社について書けない。そして、神宮について書かない方が良いと私は思う。東京の神社を訪れている観光客は、三重県の神宮についての栞を見たら、戸惑って、戻すに違いない。その場で役に立つ内容は一番だ。

では、それはなんだろう。まず、神社は宗教施設であるので、敬意を表しながら見るべきことを明記する。その上、参拝者の宗教を問わずに受け入れることも明記する。自分の宗教のために入らない人もいると思えるが、神社側からの拒否はないことを説明した方が良い。

そして、神社の仕組みを説明する。本殿には神様が鎮座すること、そして参拝する方法を教えたら良いのではないか。手水の作法と礼拝の作法を絵を使いながら説明すれば、観光客も参拝できる。お札やお守りと絵馬の役割と種類を説明するのも良い。そうすれば、参拝者は適切なお守りを選ぶことはできるし、絵馬に記入することもできる。

このような内容は、三つ折りのA4の1枚に入ると思うので、それで充分だ。さらに詳しい情報があるホームページを紹介したら、特に興味を持つ人はさらに調べられる。長くないので、多言語に訳してもらうことにも現実的な金額になるだろう。必要な言語は英語、中国語(簡体字も繁体字も)、韓国語だが、それにとどまらない方が良い。官公庁のデータを見れば、タイ語、タガログ語、ベトナム語、インドネシア語、マレー語、フランス語とドイツ語を加えたら良さそうだ。日本語版も置いたら良かろうね。

このような資料があれば、少なくとも適切な参拝ができるし、適切なお守りを受けることもできる。それは、観光客に対して期待できるレベルの教化であると私は思う。