『作歌へのいざない』

この本はNHK短歌に載った連載の単行本であるようだ。私は、ほぼ5年前に短歌を作るために買ったが、事情があって真剣に読み始めたのは去年ぐらいだった。そして、読みながら、本に書いてある内容を採用して短歌を詠んだ。連載からなったので、短く区切られている。そのため、私は簡単に一部を読んで、そして一首の短歌を詠んだ。

この本を評価することにあたって、短歌についての知識はないこと言っておくべきだろう。というより、わずかな知識を持っているだろうが、この本から得た知識だ。当たり前だが、三枝氏の短歌についてのご意見は正しいかどうかは、到底言えない。それより、私の素人の感想について書く。

素人として、この本は良いと思う。目的は作歌へ誘うことだから、少なくとも私の場合成功に至った。最初は短歌の基本を説明して、上の句と下の句の区分とよくある内容の配置などを紹介する。そして、話題の種類や言葉の工夫、描写の仕方などを取り上げながら、例もたくさん紹介する。余談だが、短歌の例で気づいたことは、日本語の古語を使う短歌は今でも多いことだった。私は、学校で日本語の古語を勉強したことはないので、「なりけり」などはさっぱりわからないが、これをきっかけに勉強するつもりだ。それはともかく、短歌をたくさんの角度から考えさせられ、短歌で何ができるかを見つめた。

例えば、字余りと字足らずの紹介があった。私は、性格として、ルールに従うタイプだから、短歌で字余りを導入することには抵抗感があるが、やはりそうする場合もある。だから、その字余り自体は、短歌の意味を裏付ければ、私も許すことにした。ブログで公開した短歌にも字余りの例があるが、その短歌にも字余りの意味がある。そして、題歌の話で、それにも挑戦した。やはり、作歌で難しいのは、テーマを思い浮かばせることだから、ある字を取り入れられようとすれば、その壁をもう乗り越えた。短歌の連作も促されたので、それとも挑戦した。

(小さなクイズ。アップされた短歌の中には、連作が二組ある。気づいたかな。)

ところで、ある発言は印象的だった。「いつ短歌を詠むか」という質問に対して、三枝氏が「締め切りが迫る時」と答えた。原則として、三日置きに短歌をこのブログに公開するので、私の作歌はいつも締め切りに追われる。やはり、それもいい練習になる。本で、歌会に入会するのは良いことの理由の一つだったが、その効果は、あまり読まれていないブログにもあるね。

括りとして、短歌を詠み始めたい人であれば、この本は糸口になると思うので、お勧めする。


投稿日

カテゴリー:

,

投稿者:

タグ: