外国人の呼び方

一般的にどうやって「外国人」を呼ぶべきかを考えれば、簡単な問題ではない。先日、その理由に触れたが、今回また詳しく考えたいと思う。

呼び方は、軽蔑を表さないのは一番重要である。だからアメリカで黒人を「ニガー」と呼んではいけない。そうすると、クビになる仕事は少なくない。公職であれば、そのほんとどであろう。過去は、特に奴隷制の時代には、軽蔑を表現するための呼び方だったので、現代でも思い意味を持っている。19世紀に著された本からさえこの言葉を消そうとする動きがある。日本では、「外人」には類似する歴史があるので、現在使わないような動きがあると思う。

しかし、「外国人」には別な問題がある。それは、「外国人」という呼び方、どうしても「日本国籍を持っていない」人を示唆すると思わざるを得ない。でも、帰化した日本国民も存在する。白人で、黒人で、南アジア人で日本国籍を持っている人もいる。そのような人を、どう呼ぶべきなのだろう。「日本人」の呼び方は良いはずだが、それでも問題が発生する。

アメリカは移民大国であるので、この問題は顕著である。解決策はよく知られているだろう。「African American」「Asian American」そして「European American」のような呼び方がある。それで、アメリカ人であることは強調されている。それでも、問題はなくはない。「African American」の大半は、アフリカとのつながりはない。祖先は200年以上前にアフリカで奴隷にされ、アメリカに運ばれたが、その後累代アメリカに住んでいた。だから、「African」の要素はない。(面白いことに、オバマ大統領は例外だ。オバマ大統領の父親は、ケニヤからのアフリカ人だったので、オバマ大統領は文字通り「African American」である。)だから、日本で同じような措置をとれば、同じような問題が発生しないように工夫しなければならない。

一つの可能性は「少数性日本人」だろう。英語で「Minority」は日本語で「マイノリティー」として使用されるので、感じに換算して、一般的な呼び方として使えるだろう。「少数性日本人」は外国出身の日本人だけではなく、ハーフも部落民も、歴史的日本人の主流から区別されて、差別された人を指す。性的なマイノリティーも包含される。

ただし、このような呼び方は「少数性日本人」と「多数性日本人」を区別できつとしても、帰化した日本人とハーフと性的なマイノリティーを一括で指すが、その少数性日本人の中の多様性は際立つ。だから、さらに精密に区別した方が良いが、その道に進めば、間も無く少数性日本人の一人ずつの呼び名になってしまう。適切な呼び名は、使用の目的によって異なる。だからこそ、一般的な呼び方を発送するのは難しい。


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