維持祭祀

では、神社を維持する祭祀をどう考えれば良いのか。

理想は毎日の祭祀と毎日の掃除だが、今考えている場合は、周辺には住民がいなくなった状況だから、それは無理であると考えなければならない。しかし、年に一回の祭祀は、神社の維持にはならないだろう。1年間で神社の境内が荒れるし、例大祭しか取り行わないことはよくないだろう。まず、より頻繁な祭祀は可能であるかどうかを考えたいと思う。

月次祭は、神宮では年2回に執り行われているが、多くの神社では月に1回のお祭りであるようだ。だから、月に1回の祭を考えよう。普段は、それを行う人は神職ではなく、ある資格を取った一般人であると考えよう。そして、原則としてボランティアである。

神社へ移動するために、時間は有する状況である。近所には誰も住んでいないからだ。それは、もしかして、車を停めて、歩くことも必要だろう。そして、神社についたら、社殿の簡単な掃除を行って、境内の植物などを整理したりすることも必要だ。例えば、雑草が参道を埋めようとしたら、ちょっと切り取って、参道が通れるような状態に戻す。社殿や鳥居を点検して、問題が見れば担当する神職に報告する。(この神職は、法律上神社の宮司に当たるが、神社に行くのは年に1回ぐらいことを想定する。)注連縄なども新しくする。修理する予算があるかどうかはとりあえず別として、まず問題の存在を把握することは必要である。

その準備はできたら、社殿で月次祭を執り行う。神饌を備えるし、祝詞を奏上する。神饌の備え方や祝詞奏上の作法、そして祝詞の作文方も資格の一部にした方が良かろう。祭祀が終わったら、神饌を撤去して、一緒に持っていく。

この行事には、丸1日は必要であると思われる。移動の時間も考えれば、掃除と手入れをすることだけで数時間は必要かもしれない。経費として、燃料の費用や神饌の出費、そして掃除道具などの経費もあるが、多額にならないだろう。1回1万円以下で済むのではないかと思う。ボランティアだから、一つの神社の基本維持のために、ボランティア一人と10万円程度の金額は必要だろう。これは現実的なのではないか。

ただし、ボランティアは、神社と繋がりがある方であることは望めない。周辺には誰も住んでいないので、神社を氏神様として拝んだ人はどんどんなくなる。そのため、一般的にこのような活動に対してボランティア精神を持っている人になる。ボランティアには、数年が経ったら顕彰するべきであるのは言うまでもないだろう。幸い、神社界にはもう適切な顕彰がある。

このような制度の実現に向けての問題などは三つぐらいあるだろう。

一つは、適切な資格は現在存在していないことだ。神社本庁によって作成してもらわないといけないだろう。

もう一つは、制度の管理に努力は必要であること。それは、神社の宮司の負担を完全にするべきではないが、このような事務は神社庁の仕事であるので、期間はもう存在している。

最後は、ボランティアが生じるかどうかという根本的な問題だ。それは、制度を導入して試してみないとわからないことだろう。


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