心游舎の大人ワークショップ

かなり前のことだが、このブログで心游舎という組織を紹介した。主な目的は、子供に日本の伝統文化を紹介することだから、私は賛同する活動である。前からずっと真由喜と一緒に参加したかったのだが、ワークショップは京都や福岡に開催することも多いし、東京での開催の日程がなかなか合わなかった。その結果、やっと参加できる日程になったら、心游舎の初めての大人向けワークショップになったので、一人で参加させていただいた。

かけお守りの写真このワークショップは一昨日開催され、浅草神社を会場とした。テーマは、手ぬぐいからかけお守りを作ることだった。かけお守りというのは、江戸時代以前の伝統で、お守りを大切な人からいただいて、体にかけて歩くことになっている。江戸時代には、もったいないの精神で、このかけお守りの袋を使えなくなった着物の布地や古い手ぬぐいで作られたが、私たちは持っていた手ぬぐいから作った。

写真に見えるように、構成は簡素である。布を台紙に貼って、二つの袋を作るだけだ。大人であったくせに、意外と時間がかかった。確かに一つの問題は用意してもらった台紙はちょっと厚手だったことだったが、他は説明に従うのは難しかったので数回やり直しになることもあった。最後に紐の止め方を習うことに10分以上費やしてしまった。しかし、これは手作り体験の良さであると思う。説明を聞くだけでなかなかできないことは、実際にやってみれば、分かる。結局、ちょっと工夫して、お守りを入れることはできるかけお守りは作られたので、嬉しかった。

そして、入れるお守りのことだが、浅草神社が特別にないふを用意してくれた。ないふというのは、ナイフではないが、漢字は正確に分からない。お守りに入る木札で、神霊の依代になるものだ。普段のお守では、錦袋の中に入っているので、見えない。このないふは、御霊が入っていない状態で配ってもらって、袋に詰めた。(これも、大きさの問題があった。私の場合、ギリギリ入れられたが、入らなかった方もいたようだ。)そうしたら、集合写真を撮ってもらってから、神社の拝殿に進んだ。

拝殿で、御霊入りの儀を執り行ってもらった。これは初体験だった。まず、修祓があった。そして、お守りを胸の前で手で持ち、頭を下げた。その間、神職が警蹕を唱えた。それは神霊がお札に入る瞬間だったそうだ。つまり、それは本当の意味でお守りになった瞬間だった。それから、彬子女王殿下のご拝礼に続いて、先生が参加者の代表として玉串を奉奠して、一緒に拝礼した。その後、神社の禰宜さんが神社の御祭神と歴史を簡単に説明して、夜9時の祭祀は異例であることも述べたし、このお守りは、ワークショップのために特別に作られたものであるので、代わりはないため、普通の1年で1回の交代をしなくても良いとも述べてくれた。

それから、社殿を出るときに、日テレのプロデューサーさんに呼び止められ、インタービューされた。だから、私が日テレに出たかもしれない。日テレとTBSがワークショップの様子を取材していたが、私をインタービューしたのは、日テレだけだった。

もちろん、テレビ局がいた理由は、彬子女王殿下のご参加のためだった。女王殿下は心游舎の総裁で、発案者でもおられると聞くが、ワークショップの多くにご参加なされる様子である。参加者の皆にはその背景が分かったと思うが、大人向けのワークショップのご参加になるかどうかはもちろん明らかではなかった。だから、当初に女王殿下が会場に入られた途端、皆が静かになって、緊張感が広がった。幸い、女王殿下も熱心にかけお守りの作りに取り組まれたので、楽な気持ちで手作りができた。そして、御霊入りの儀は、私にとって初めて皇族の方と参列した祭祀になっていた。皇族の方の拝礼の作法は一般の人の作法と異なるようで、一拝だけであるようだ。そして、殿下の座席は中央に設けられ、一般の列のちょっと前にあった。これも貴重な体験になっていた。

帰り道で他の参加者とちょっと話す機会があったが、簪を作成する方だった。やはり、日本の伝統文化に興味を持つ人は参加するね。私にとって、素晴らしい経験だった。伝統的なお守りを作ることもできたし、滅多に経験できない神事にも参列させていただいたからだ。ぜひ次回真由喜と一緒に参加したいと思うし、興味を持っている方もどうぞ、これからのワークショップに参加したらいかがですか。


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コメント

“心游舎の大人ワークショップ” への4件のフィードバック

  1. Hitom Nozawaのアバター
    Hitom Nozawa

    こんばんは はじめまして(^-^)
    愉しいワークショップ 私も ご一緒させていただきました。
    以前、 子どもの ワークショップに 娘が参加させて いただきました。 とっても楽しく有意義な時間を過ごさせていただきましたので 大人のワークショップの開催を楽しみに 待ち望んでおりました。

    後世に伝えて行きたい 日本の伝統文化を 子どもたちだけでなく 子どもの成長を見守る 周りの大人の人たちが 自ら愉しみながら 学ばせていただく 有難い機会に 参加させていただき 様々な世代の方々と 和気あいあいと 製作に取り組む時間を 皆さまと御一緒させていただきました事を とても嬉しく思います。
    終始 和やかな時間を 彬子女王様と 御一緒に 過ごさせていただき このワークショップの活動を通しての意味を あらためて感慨深く感じました。

    また 子どもたちと共に参加したり、 大人のワークショップも 開催され 参加できる機会を 楽しみにしております(^-^)

    Hitomi Nozawa

  2. チャート・デイビッドのアバター

    Nozawa様、コメントをありがとうございます。私もそう思います。次の参加できる機会を私も楽しみにしております。

  3. 吉川大作のアバター
    吉川大作

     内符と書きまして、神札や、お守り(今回、貴殿が作られたものです)の中身(内部にある符)ゆえに内符と申します。いろんな国方々に日本の文化をしってもらえて嬉しい。
     また、こういう催しに外国(日本に帰化しているかもしれないのに、こう表現をして申し訳ない)の方が参加してくれることによって、外国人差別が好きな自称普通の日本人(ネット右翼)が減ってくれればと思う。

  4. チャート・デイビッドのアバター

    吉川様、コメントをありがとうございます。「内符」の漢字を教えてくださってもありがとうございます。このように楽しい催しに参加することで共存共栄に貢献できれば、何よりです。(ところで、今帰化申請中ですので、まだ正真正銘の外国人です。ただし、ご配慮をありがたく存じます。)