「ねえ、華多離菜、出かけていこう。」
「どこに行きたいかしら?」華多離菜の声で心配が聞こえた。
「居酒屋とか。遊ぼう。」真理安は学堂の唐衣や袿を脱いで、上裳を綺麗に巻いた。
「その格好で行くつもりではないでしょうね。」
「えっ、何が悪い?」
「悪いというより、手足はほぼ裸ですよ。」
「知っているけど。今時の服装だな。そして、私を良く見せるじゃない?」華多離菜が赤くなって、自分の手を見た。
「それはともかく、女列安道先生は慎ましい服装を求めていますわ。それは慎ましいとは到底言えないでしょう。」
「あの老婆は何が分かっているかい。僕、楽しみたいんだ。ねえ、一緒に行こうよ。」
「ちょっとだけですね。すぐに学堂に帰るわよ。」
「規則はないもん。」
「でも、女列安道」華多離菜が終わる前に、真理安が横切った。
「女列安道先生はどうでもいい。規則に従っていれば、自由に動いても文句言えるものか?」
「まあ、そうかもしれません。」
「で?着替えないの?」
「上裳に着替えませんわ。」
「いい、いい。ただ制服以外の何かに早く着替えろ。」
二人が居酒屋に座ったら、まだ夜になったばかりの時刻だった。華多離菜は緊張な顔で、自分の飲み物を見つめながら、飲もうともしなかった。一方、真理安は杯を手にして、飲みながら部屋を見渡した。
「ここは楽しいね。ね、華多離菜?人は多いし、素敵な男子も少なくない。踊ろうかな。また飲もうかな。それとも、誰かにナンパをかけようかな。」華多離菜が目を挙げて、真っ白な顔で真理安に話そうとしたが、真理安は華多離菜を無視して、部屋へ目線を向けながら話し続けた。「何を飲めばよかろうか。これは弱いぞ。もう少し応えのあるものがいいな。あら、あそこの男子は見える?格好いいね。彼を狙うかな。うん、そうする。いいだろう?ちょっとした呪いしたら、すぐに私のものになる。あ、ごめん、華多離菜、一人で帰ることになる。一人で遊び続けてもいいが。呪い、呪い。色欲を起こす呪いはいいかな。束縛は楽しいけど」
「真理安!」華多離菜は叫びかけた。「・・・さん。何を言っていますか?呪いを人にかけるのは良くないでしょう。」
「大したことはないぞ。ただやる気を強めるだけ。」真理安はやっと華多離菜の方を見たが、華多離菜が目線を落ちながら頭を振った。
「大したことですよ。自由を奪わなくても、損いますわ。私、そういう行動は好めません。」
「僕が・・・」真理安が反論を始めたが、後ろから男の人が口を出した。
「すみません、ちょっと聞こえてしまった。」二人とも見たら、真理安が指摘した男子学生だった。穏やかな笑顔で、真理安を見ていた。「すみません、勝手に。」真理安が赤くなったが、男子の目線を返した。
「はい。なんでしょう?」
「まあ、ただ聞いたが、お友人の心配は不要ですよ。」
「どういうこと?」真理安が訪ねた。華多離菜も男子を見て、意味を黙って求めた。
「これだけ。俺にそのような呪いをかけても、平気よ。むしろ、楽しい。わくわくする。」
「あっ。えぇっと。」真理安がさらに赤くなって、自分の飲み物に興味を示して、一気に飲み干した。そして咳が出て、顔を手で隠した。
「大丈夫ですか?」男子が言いながら、手を真理安の腕の皮膚に置いた。真理安はビックとしたが、華多離菜の目が丸くなって、逃げ道を探した。
「はい。ここでよし。自分の遊びに戻れ。」
女列安道が男子学生の後ろに聳えた。