椿堂28

真理安が恵純理英について評議員会の議事堂に入った。華多離菜はそのあとついてきた。議事堂は意外と狭くて古かったが、伝統は重かったので改築さえしようとしなかった。入り口で谷入が一瞬止めようとしたが、明らかに考え直した。椿堂の廃堂を審議するのは市井の噂だったので、自分の学堂の件の審議から排除できないことは、谷入でさえ分かったようだった。

議事堂はもういっぱいだった。評議員はもちろんのこと、傍聴する匠も多かった。一般の学生は、空席はないため、入らせられていなかったが、他の学堂と特別な関係を持っていた学生は散見できた。真理安は、評議員に目を向けて、表情から意見を読み取ろうとしたが、敵しか見えなかった。

「準備はできましたね。」

「あ、先生。ようこそいらっしゃいました。」頭を下げて、真理安が女列安道に敬意を表した。

「真理安。華多離菜。期待は裏切られなかった。では、これは勝負。」

真理安は驚いて、何も言えなかった。涙は目から溢れそうになったので、手で拭いて、また評議員を見つめた。

谷入がまた叫びました。

「頭魔主評議員会会長おなり!」

頭魔主が入って、席に着いた。

「ここで、評議員会が女列安道の資格の問題と椿堂の存続の問題を審議します。案は、女列安道の資格の剥奪と椿堂の廃堂です。根拠は、谷入警備長が教えます。警備長。」

「はい、委員長。女列安道が悪魔の牢獄について過失な判断をして・・・」谷入が訴えを始めた。牢獄のことは大きかったが、椿堂の倫理問題も掲げて、そして学歴不振の問題も掲げた。「今年度、椿堂の学生には卒業の免除は一つも出されていません。」

「すみません、委員長。」恵純理英が言い出した。

「はい、恵純理英匠。」

「椿堂の学生の卒業のことですが、ここで記録を持っていますが、234人の内、198人が卒業基準、または中間の基準を満たしましたので、ここで卒業の正式の認証をお求めいたします。」

「その規則は古臭い!」と谷入が言い捨てたが、頭魔主が応じた。

「それはそうですが、今も大学の規則ですので、手続きは正しければ、もちろん認証します。試験を行ったのは誰ですか?」

「私です」と恵純理英が答えた。

「自分で自分の学堂を評価するなんて、稚拙な話じゃないですか?」谷入は軽蔑な声で言った。

「恵純理英先生は匠の資格を持っています」と華多離菜が反論しました。「規則では、匠が判断することしか書かれていません。」

「確かに言うとおりです。」と頭魔主が認めた。「しかし、これは特別な事情です。評議員会で審議しなければなりません。」

「委員長、ちょっとよろしいでしょうか?」羽空だった。

「はい、羽空委員。どうぞ。」

「私は、定型議論の試験現場に立ち会いました。恵純理英匠の判断を検証しましたが、問題はなかったというしかありません。私なら失敗と判断する学生は数人いましたが、逆に私は合格を許す学生を不合格にした場合もありました。匠の判断に任せる範囲を逸脱していませんでした。申請は正常だと思います。」

議事堂は閑静だった。真理安も驚きで何も言えなかった。頭の中で「だから失敗で喜んだのか」と繰り返して考えることしかできなかった。

「そうですか。では、受理します。椿堂の学歴には問題はないと言いましょう。」

「しかし、委員長!」谷入が反発したが、頭魔主の厳しい視線で静かになった。「はい。では、倫理的な問題は充分であるとも思えます。」

「谷入警備長、倫理違反はいつ起こりましたか?」恵純理英からの質問だった。

「一々月日を読み上げるには余計な時間がかかります。」

「一番最近な事件はいつですか?」

「それは、あのう、5ヶ月前です。」

「はい。委員長、過去には倫理的な問題があったことを認めざるを得ませんし、深く反省しております。しかし、この半年で違反はないように、倫理的な刷新を行ってきました。」

「それはもう遅い。」と谷入が言ったが、華多離菜が手を上げて、反論した。

「すみませんが、倫理規定によると、若い学生の勢いに配慮して、倫理違反を廃堂の根拠とするために、学童が改善に努めない見込みも必要とされています。半年で違反をなくした実歴は、改善に努めている証拠になりませんか?」

「それは、ただ女子の隠蔽だろう!」と谷入が怒鳴った。

「それでも、証拠はないんですよね」と羽空が言ったので、谷入が憎みの眼差しで頷いた。

「確かに、最近の証拠はありません。」

「同性愛のこともね。」

「はあ。」

「私の学堂から同性愛をなくすのは、相当な努力は必要だろう。隠すことも難しいです。頭魔主委員長、これは根拠にならないと思います。」

「羽空理事、女性は呪術に向いていないことじゃ常識でしょう。」谷入は怒りを抑えられなくなったようだった。

「一般にそうです。否めない事実です。しかし、ここで一般の話はしていません。ここで、椿堂の話です。椿堂は200人余りに過ぎません。女性の中で、呪術ができる200人が存在することは、それほど信じがたいのでしょうか。」

「はい、はい。この一般的な議論から今回の案件に戻りましょう」と頭魔主が言った。「女列安道の資格の問題ですが、剥奪しない理由はありますか。」

真理安が飛び立った。

「はい、委員長。あります。」

「そうなんですか。では、小娘。説明しなさい。」

「悪魔の牢獄の事件で、被害が広がっていません。その上、警備の問題が明らかになって、改善も図られています。結局のところ、女列安道先生の判断は妥当だったと言えます。」谷入の顔が真っ赤かになっていたので、真理安が次のことに走った。「確かにその判断と同意しない理事もいると存じますが、資格の剥奪にはそれ以上の理由は必要となります。学堂には深刻な問題があったら、それはその理由に当たると言えましょうが、先ほどの話で明らかになっているのは、学堂にはそれほどの問題はないことです。つまり、剥奪に相当する理由は存在していません。規則によると、それは剥奪しない理由になる。」

「頭魔主委員長、この小娘を追い出してください。今は、大学から女子を排除する絶好の機会ですが・・・」

真理安が声を上げた。

「委員長、憲則5条で谷入を訴えます。谷入の即時の解任を請求します。」

「何?」谷入の怒鳴りは凄かった。

「承知しました。」と頭魔主が答えた。「谷入、退室をいただきます。」

「委員長、何ですか?」

「この小娘の憲則の理解は正しいです。女性を排除することは、憲則違反です。憲則違反を提案した役員を即時解任しないと、評議員会の自然解散になる。警備長として、これは知るべきだった。議事堂を出なさい。」

一瞬谷入が反発するかと思ったが、扉を飛ばそうとしながら部屋を出た。

「では、女列安道の資格を剥奪根拠はないようです。同じく、椿堂を廃堂させる根拠もありません。資格停止を取り消します。女列安道大師、椿堂を率いってください。」頭魔主が立って、椿堂の先生と学生が立っていたところに近づいた。

「これから、注意深く行動しなさい。見ているぞ。」

「私たちも、委員長。」