元素の命名

先日よく報道されていたが、113元素の発見は、日本のリケン研究所の成果であることはIUPACに認められ、日本には命名権が与えられた。適切な元素の名前をめぐって議論があるが、ここでそれについて書きたいと思う。

まず、Natureでの記事で、ある記者がその選択肢について論じた。この主張によると、国家主義などを避けるべきで、四つの新しく命名される元素の一つには普遍的な「Levium」という呼称はいかがかという内容である。Leviumの普遍性の根拠は、Primo Levi氏にちなんで、科学者で、『The Periodic Table』という本で化学についての最高の文学を著したし、それにアウシュビッツでの体験についても語った本を著したので、人間性をよく表す化学者であったため、元素の呼称になるのは相応しいと言っている。

確かに相応しいと私も思う。ただし、普遍的であるとは思えないレビ氏は欧米人で、欧米の悲惨の歴史に巻き込まれて人間の精神の強さを表現した。その強さは確かに普遍的であるが、レビ氏の表し方は欧米文化に根ざしている、普遍的ではない。だから、記事の中で「Japonium」という呼称に反対を明記しても、Leviumは113の呼称として相応しくないと思う。アメリカの研究チームが使ったほうが良いと思う。日本の研究者は、日本の文化に根ざした呼称を選んだほうが良いと思う。

では、具体的に何が良いのか。実は、私もJaponium(日本素)には抵抗感を持っている。まずは、確かに国家主義の香りがある。フランズ素やアメリカ素は存在しているが、イギリス素は存在していない。イギリスと日本の奥ゆかしい性格にはふさわしくない呼称であるといえよう。そして、113は不安定な元素である。作ったら、10分以内なくなる。これほど不安定な元素に日本を例えるのは好ましくないだろう。

それでも日本の文化から相応しい呼称はないだろうか。実は、あると思う。寿命は短いのに、いや、短いからこそ愛でられている存在はある。それは桜である。桜の花は113素のようにすぐに散りゆくがそれこそが魅力になる。そして、花として日本を象徴する存在である。日本との関係は不明であるとは到底言えない。だから、日本人の元素学の偉大な研究者の名前を使わなければ、「桜素」、英語のSakuriumは良い呼称だと私は思う。日本の文化を表現するし、国家主義の匂いはあまりないし、そしてSakuriumは言いやすくて、響きも悪くない。

残念ながら、決める委員会に提言する資格は持っていないので、このブログで発言することに留まる。