民主主義の意義

では、有権者には一般的に課題を知恵を絞って決める能力も情報も機会もないと、選挙の意義は一体なんだろう。

選挙は、政権交代をさせるために存在する。

有権者は、将来の選択肢について正しく選ぶことはできないとしても、現在の政権を許すかどうかは、すぐにわかる。現在の行動などによって判断できるからだ。自分の生活への影響、自分の意見との齟齬があれば、反対な一票を投じるのは当然である。そして、政権は有権者の過半数の支持を得られなければ、政権交代になる。

2009年の日本の選挙は事例になる。その選挙で、民主党を積極的に支持する人は少ないと思われる。むしろ、有権者は、自民党の政権に対して、強い不満を抱いたので、落選させた。その結果、民主党政権に対しても強い不満を抱いたので、自民党がまた政権を奪還した。

この判断について、一般的な有権者の判断を信頼できると思う。一番重要なのは、自分に関心があることしか重視しない点である。社会公平は選挙の責任ではない。一般の人は、社会公平を擁護するとしても、どう実現するかは分からない。一方、自分の生活への影響、自分の意見を否定する発言などがあれば、反対意識が湧いてくる。政権が有権者の過半数の支持を失えば、政権交代になると思える。

この点から、良いことは二つある。

まずは、政権は少数派のために国家を運営することはできない。確かにある少数派に特別に利益を集中させることはできるが、多数派を無視してはいけない。無視すれば、反対勢力が強くなるからだ。今のアメリカの大統領選挙でこの現象は見えてきた。これは悪質の政権に強い制限を置く。そして、良心を持つ政治家は当然住民の声を聞くが、選挙があるため、より急務となる。選挙自体は良質な政権を選ぶことはできないが、政治家に良質な政権を建てる動機になる。

そして、平和的な政権交代を確保する。選挙はなくても、政権に対して強い不満を抱く場合がある。その結果は、最近の中東で見える。リビアとシリアは内戦状態に陥った。犠牲者も多いし、国の資産も破壊されつつある。その悲劇の影響は長年にわたるに違いない。民主主義はそのような悲劇を避ける方法の一つだ。選挙で政権を落とすことはできれば、戦乱に多人数を誘惑できるはずはない。確かに過激的な人は乱暴を振るうだろうが、多くの人は「次回の選挙で野党に投じる」と思って、ブツブツ言いながら選挙を待つ。この方法は、誰にとっても良い。権力者は殺されることも非常に少ない。

つまり、民主主義の過程で権力者が一般の住民の意見に配慮させられると期待できるが、絶対的な役割は嫌われる政権を落とすことだ。これを踏まえて、民主主義の好ましい形式について考えられる。