性的行為の基本倫理

性的行為の基本状態は大人同士の性交であろう。ここで、法制はすぐに描かれると思う。強制的な行為を禁じるべきだし、同意に基づいた行為を許すべきである。

倫理はそれほど簡単ではない。相手が同意したからといって、全面的に肯定的に思えるとは限らない。

まずは、その同意を得た方法を考えなければならない。もちろん、その場での脅威は強制的な行為とみなされるが、問題になるのはそれだけではない。相手はちょっと酔っ払っている状態を利用することも、倫理的に問題視すべきであるが、違法とすることはできない。(ドロ酔っ払いは別である。もう同意できない状態であれば、同意に基づいた行為ではない。)同じように、相手を半分騙して納得させることも、違法とは言えないが、倫理違反であると思う。単純にその場の興奮に乗じてさせることも疑わしい。

一般に言えば、色欲の強さを認めるべきである。そのため、相手に考える機会を与えたり、長期的に行動を評価する機会を設けるべきである。つまり、はっきりどうしたいと言って、相手に考える時間を与えてから答えを聞くことは望ましい。その考える時間は、普通に一晩以上が良い。

ただし、この形は現在まだ無理だと思う。必要なのは、まだ性的な状態になっていない段階で、相手に「あなたと性的行為はしたい」という趣旨を伝えることだ。私の印象だけではないと思うが、そのような発言に肯定的に対応する人は少ない。女性は特に反発するのではないかと思うが、男性も反発する場合もある。そして、「ありがとうございます。ただし、私はそうしたくない」という答えも気軽にできる雰囲気も必要である。長く片思いを抱いて、ようやく告白できた相手にそう言ったら、精神的な打撃になる。

この問題を後回しにするが、基本精神は相手の真心の同意を得ることだ。相手は絶対後悔しないことは保証できないが、少なくとも相手は自分の決断が間違ったと思うことは目指す。誘うために、偽りや圧力を一切使っていないことは重要である。ただし、色欲は強いので、それを確保するために工夫は必要である。一つの選択肢は、誘ったら、一回寝てから実行する倫理的な規則だ。(一回目に限る。付き合ったら、その必要性がなくなる。付き合ったら、相手は原則として性的関係に賛成していることは明白であるので、その時点の意向を探る必要しかない。)

もう一つの重要な基本は、相手を喜ばせることだ。それは、相手をオーガズムを感じさせることに限らないが、それを基本とする。(ところで、日本語にはオーガズムの単語はないようだ。大事な欠如なのではないか。「相手をいかせる」かな。)つまり、自分の気分しか考えないことは、倫理違反とする。この点について、さらに論じる必要はない。その工夫を紹介する本は少なくないし、人によってやって欲しいことは違うので、原則しか言えない。一方、同意の問題は、さらに考えたいと思う。


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