無国籍

私は無国籍である。

もちろん、これは最近の状況だ。日本は、重国籍を認めないので、日本国籍を所得するために他の国籍を離脱しなければならない。国によって、離脱する時期が異なるが、英国の場合、日本の国籍を取得する前に離脱できるので、そうしなければならない。

離脱の手続きも国によって異なる。多くの場合、大使館で行うようだが、イギリスは違う。イギリスの場合、書類をイギリスへ郵送しなければならない。そして、4万円程度の手数料も収めなければならない。それは高いほうだが、アメリカはめちゃくちゃ高い(25万円程度)。アメリカ人ではなくてよかったと思う。イギリスに送らなければならないので、時間がかかるのは当たり前だろう。それに、手続きには2ヶ月以上がかかった。合計で、日本から出した時点からもらった時点まで、3ヶ月弱がかかった。経験のある人から聞いたが、それは普通だそうだ。

今、証明書が届いたので、それを法務局へ持って(郵送もできるが、それほど遠くないので持参する)提出する。提出すれば、法務省で最終的な手続きを行うそうだ。形式上、法務大臣が承認するが、実際に法務大臣が目を通すはずはないだろう。委託できる業務の典型例なのではないか。(法務大臣は私のことを知らないので、帰化は適切であるかどうかを判断するために、提出された書類に基づくしかないので、結局公務員の判断に従うしかない。むしろ、法務大臣が個人の帰化に力を入れるのは無責任だろう。)そして、決断が下される。この段階になったので、承認するのは決まっている。国際法の下で無国籍な状態を長引かせてはいけないので、審査と判断は離脱を指示する前に完成する。

手続きしか残らないとはいえ、重要な手続きである。本当に日本国籍を取得する日を待ち望んでいる。

『古語拾遺』の中の渡来人

『古語拾遺』でもう一つ気になったことは渡来人の地位だった。私にはこのような内容が気になるのは言うまでもないだろう。

当時の渡来人のほとんどは、朝鮮半島から来た人だったようだ。三韓の内戦で逃げた人、つまり、難民も含まれていたようだが、日本で朝廷などで大活躍したようだ。その理由は、先端技術を持ってきたからであるのではないかと推測されているようだ。先端技術というのは、識字や機織などであるが、当時革新的だったという。

そして、大変保守的な斎部広成は、この渡来人に対して一切排外的な態度を取っていない。むしろ、役割を強調して、その役割も継続すべきであると強調する。特に、7世紀以降の歴史で、『日本書紀』から漏れた内容を拾ったが、その大半は渡来人の氏族の役割だった。大蔵を司ったとも書いてあるが、祭祀にも重要な役割は認められている。

この史実を見れば、現在の国家について何も言えない。1300年前の事実と今日の事実は全く別であるからだ。言えるのは、帰化した人が日本の政治に深く関わっても、前例があることだ。ま、何も言えないはちょっと過言だが、具体的な意味にはならない。

一方、神道を考えれば、興味深いことは言える。

まずは、神道は純粋な日本の固有な宗教ではないことはさらに明らかになる。神道の歴史を勉強すれば、道教や仏教、陰陽道などからの影響は強いことは認めざるを得ないが、広成は渡来人の祖先を神社で祀るべきであると主張しながら、朝廷が幣帛を奉るべきであるとも言える。その上、伏見稲荷大社は渡来人の秦氏が建立した神社であるので、稲荷信仰は渡来人から発生した神道の一流である。(これは『古語拾遺』で強調されたことではないけれども。)神道は、日本で輪郭を形成したが、海外からの要素を取り入れたことは多い。寛大な宗教であると言われるが、このような古典を読めば、それは浮き彫りとなる。宗教の多くが他の宗教や国から要素を取り入れるが、それを否定する場合は多い。「これはあの宗教からとったことではない。我々が発想した内容だぞ。」のような主張である。一方、神道は潔く認める。外来の神も祀れば良いという態度である。

そして、より個人的なことになるが、神道の歴史の中にも日本に渡来して帰化した外国人が自分の思想や祖先を奉じて神道の一つの信仰を始める前例はある。特に、神道がちゃんと成型された時代には、そのようなことは多かった。つまり、私が神道に私の独自の考え方を取り入れることは、神道の伝統に従う行為である。神社界で活躍することは、歴史的に裏付けられている。

英国国籍の離脱

昨日、法務局からの電話があって、法務省から離脱の指示が出たとのことだった。これで、私の帰化申請は事実上承認された意味なのだ。

日本は二重国籍を認めないので、できれば日本に帰化する前に元の国籍を離脱しなければならない。(アメリカはそのようなことを許さないので、アメリカ人は帰化してから離脱する。)ただし、イギリスの国籍を放棄するために、帰化する国の政府からの書類が必要となる。それは、離脱すれば、当国の国籍を得るという証明書である。なぜかというと、離脱の結果で無国籍にならないためだ。だから、日本政府から帰化申請は承認されたとの公文書をいただいて、イギリスに送ることになる。

もちろん、正式に承認していないが、この段階で拒否することは、よほどなことがある場合に限る。例えば、私が離脱の手続きを長く滞ることとか、犯罪を犯すなどの場合だろう。もちろん、離脱の手続きには時間がかかることは、法務省がよくわかるので、数ヶ月がかかっても問題にならない。(実は、数ヶ月がかかる可能性はあるそうだ。)イギリスからの離脱完成の証明書が届くと、法務局に提出して、正式に法務大臣に申請を提出して許可を得る過程であるようだ。暫くの間、イギリス人のままだ。

ところで、申請の書類には不備があったことは、前にもこのブログで触れたと思う。帰化申請には国籍証明書は原則として必要とされる。この証明書には、旅券は当てにならないので、別な書類を発行してもらわなければならない。過去には、イギリス大使館で手紙を発行してもらえたが、2年ぐらい前から、そのような手紙を発行することをやめたようだ。イギリスの外務省は大使館には国籍を証明するための記録などはないので、できないという合理的な理由で停止したが、他の証明書は存在しない。旅券は得られなければ、その代用品があるが、旅券を持つ人には発行しない。同じように、帰化した人の証明書があるが、私はイギリスには帰化していない。担当者と話した上で、書類なしに申請を提出して、法務省の判断を待つことにした。結局、その判断は「追加書類は不要である」ようだ。私にとって嬉しい話だね。

そして、帰化申請の過程で家庭を訪れることはあるようだが、私の場合はなかった。その訪問の目的は、申請内容が生活と合致するかどうかを確認するためであるそうだから、別な方法で確認したのだろう。

離脱の手数料は4万円程度だが、アメリカの20万円よりマシだから、書類が届くと直ちに離脱申請をするつもりだ。日本人へまた一歩する。

アメリカの国籍放棄

日本国籍を取得するために前にもった国籍を放棄しなければならない。それは、日本が二重国籍を認めないからだ。他の国家は認めるので、日本はちょっと珍しいが、例えば中国や韓国も二重国籍を認めないそうだ。(確認していないけれども。イギリスは認める。)

今まで、アメリカの国籍を放棄することはややこしかったと言われるが、無料だった。条件はあったが、日本の国籍を取得するための放棄は手数料無料だった。しかし、今この規則を更新する予定であるようだ。新しい規則案によると、国籍を放棄するための手数料は、$2、350とするそうだ。今の為替レートで換算すれば、¥285,000になる。これは高い。私は、アメリカ人ではなくてよかったと思ってきた。(イギリスの場合、手数料はあるが、£120程度で、換算すれば¥25,000程度にとどまる。)

アメリカ人にはひどいが、日本の政府も対応したほうが良いと思う。なぜなら、下記の状況のためだ。

例えば、親は海外赴任でアメリカにいた時に生まれた日本人を考えよう。この人は、1歳未満で日本に帰国したので、所謂「帰国子女」でもない。しかし、アメリカで生まれたので、アメリカ国籍を持っている。アメリカで生まれた子供は原則として生まれながらアメリカ国籍を持つからだ。では、この日本人が20歳になったとしよう。アメリカから帰国して以来、日本で成長して、英語は普通の日本人と同じレベルしかできない。それでも、二重国籍を持っている。20歳になると、日本の法律によると、選ばなければならない。日本の国籍を選べば、アメリカの国籍を放棄しなければならない。アメリカの国籍を選べば、日本の国籍を放棄しなければならない。しかし、この人には何も得ないために気軽に使える¥285,000はないとしよう。現実と乖離する仮説ではなかろう。その場合、この日本人は経済的な理由で、日本国籍を放棄しなければならない。

同じようにアメリカ人と日本人のハーフも同じ選択肢に強いられる。

この人は、自分の選択肢のためこの状況になったわけではない。ハーフの場合、親の選択肢はあるが、海外赴任で生まれた子であれば、親の会社の決断でこの状況になったと言える。不公平であるのは明らかだ。

では、日本政府はどうすれば良いのか。一つの選択肢は、二重国籍を黙認することだ。つまり、アメリカ国籍を持った日本人は、日本国籍を選んでも、他の国籍を放棄したかどうかを意図的に調べない。しかし、このような違法な状態に目を潰す対策は良くない。

もう一つの可能性は、このような理由で余儀なく日本国籍を放棄する人に特別永住者の在留資格を与えて、簡易帰化を認めることだ。つまり、日本での生活を続けさせて、経済的にアメリカの国籍を放棄できるようになったら、日本国籍の取得を認める。このような対策を実現するために、法律の変更は不要だと思う。

しかし、永住権を与えても、参政権を剥奪する。お金は足りないので、参政権を剥奪ということは、憲法の精神に違反する。だから、一番良い解決策は、二重国籍を認めることだ。そうするために、もちろん法律の改正は必要だ。しかし、そうしないと、アメリカに親の選択を理由に日本人を苦しませる権利を与えている。国民の利益を守ろうとする政府であれば、それは良くないので、法律改正を実現したほうが良いと思わざるを得ない。